須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成22年12月号掲載
給与所得控除額も半分まで?!
 前回「赤字の繰越は半分まで?!」というテーマを掲載しましたが、今回も税制改正について書いてみたいと思います。
 堅苦しいテーマが続きますが、問題が多いため敢えて取り上げました。

 前回の「赤字の繰越は半分まで?!」については中小法人には影響させないという方向に進んでいるようです。
 その方法論としては、@改正案から中小法人を除外する。A中小法人の一定金額(例えば5,000万円又は1億円とかいった金額)までの所得には適用せず、一定金額を超えた所得については繰越控除額の半分等しか控除できないとする。という2案が検討されているようです。

 さて、今回のテーマは「給与所得控除額も半分まで?!」です。給与所得控除額とはザクッと言ってしまえば給与所得者に定められた必要経費です。
 最低でも65万円控除され給与収入が多ければ多いほど増えていきます。
 例えば給与収入が1,000万円の場合220万円、2,000万円の場合は270万円控除されます。これについて上限を設けることは問題ないし、むしろそうあるべきです。

 しかし、今回テーマとして取り上げたものは、悪評だった「一人オーナー会社への重税」の代替案なのです。上限を設けるだけでなく、一般の給与所得者と異なる控除額にするというものです。
 さすがに一人オーナー会社の社長だけをターゲットとすることは避けられたようですが、現在(22.11.25)のところ次の様な議論がなされているようです。@給与所得控除額については、使用人と役員とに2分する。A使用人については、給与収入が1,000万円から2,000万円までの間で上限を設定する。B役員の給与所得控除額は、一定金額以上からは使用人の給与所得控除額の半額とする   以上です。

 なぜ、給与所得控除額を使用人と役員に分けなければならないのでしょうか?なぜ、半額なのでしょうか?私には理解できません。
役員に対して性悪説に立っているとしか思えませんがいかがでしょうか。

                                                 所長 須田幸英
 事務所通信12月号掲載
トップページへ 所長の一言トップページへ